高尿酸血症(読み)コウニョウサンケッショウ

デジタル大辞泉 「高尿酸血症」の意味・読み・例文・類語

こうにょうさん‐けっしょう〔カウネウサンケツシヤウ〕【高尿酸血症】

尿酸血中濃度が異常に高い状態。体内での尿酸の過剰産生、尿への尿酸排泄低下などによって起こる。放置すると痛風尿路結石を発症するリスクが高まる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「高尿酸血症」の意味・わかりやすい解説

高尿酸血症
こうにょうさんけっしょう

尿酸の血中濃度が異常に高値を示す疾患。血清尿酸値が1デシリットル当り7.0ミリグラムを超える状態をいう。尿酸の産生過剰によるもの(尿酸産生過剰型)と腎臓からの排泄(はいせつ)低下によるもの(尿酸排泄低下型)、およびその両方がかかわるものに分けられ、尿酸排泄低下型がもっとも多い。また、それぞれの型には原因不明の原発性のものと、サイアザイド系利尿薬などの薬物、造血器疾患や腎不全などが原因とされる続発性のものがあり、原発性の割合が高い。全体的に男性の発症率が高い傾向にある。尿酸はプリン(プリン体)が体内で代謝された最終代謝産物で、したがってプリンを多く含む飲食物の過剰摂取によって尿酸値は高まり、尿酸産生過剰型高尿酸血症の原因となる。また過度の運動、白血病骨髄腫および炎症性疾患などでも体内でのプリン合成が促進され、結果として尿酸産生過剰となる。ほかに体質素因、過食、ストレス、アルコール(とくにビール)過剰摂取、肥満など、さらに家族性の要因が関与する。

 食習慣や生活習慣の変化に伴って高尿酸血症は増加傾向にある。高尿酸血症が長い間続くと尿酸値がさらに上昇し、関節や腎臓などに沈着して急性関節炎や腎機能障害を併発し痛風に至ることが多い。

[編集部]

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百科事典マイペディア 「高尿酸血症」の意味・わかりやすい解説

高尿酸血症【こうにょうさんけっしょう】

血液中に含まれる尿酸が異常に増加する病気総称。尿酸は通常,尿と一緒に体外に排泄されて一定量を保っているが,遺伝的な体質や環境要因によって尿酸の排泄が低下した場合や,遺伝・環境・食事などの因子が絡み合って,尿酸が異常に増加することによって起こる。また,降圧利尿剤の長期服用によって起こることもある。高尿酸血症の状態が続くと,尿酸が関節滑膜に沈着して痛風発作を起こしたり,腎臓の尿細管に沈着して腎臓の機能低下,いわゆる痛風腎が起こる。治療は尿酸抑制薬や尿酸排出薬の服用による。
→関連項目高脂血症

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生活習慣病用語辞典 「高尿酸血症」の解説

高尿酸血症

性・年齢を問わず血液検査で血清尿酸値が7.0mg/dL を超えるものをいいます。体内での尿酸生産量の増加で起こる場合と、尿中への尿酸排泄の低下で起こる場合、その両方で起こる場合があります。また、血清尿酸値が高いと痛風の危険性が高くなり、また狭心症や心筋梗塞といった心臓の病気の危険も高まるといわれています。

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世界大百科事典(旧版)内の高尿酸血症の言及

【痛風】より

…尿酸の生成や排出の異常から,高尿酸血症となり,末梢の関節などに発作的な疼痛を繰り返す病気。一次性または特発性痛風と二次性または続発性痛風があるが,一般に痛風といえば一次性または特発性痛風のことをいう。…

※「高尿酸血症」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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