高木善助(読み)たかぎ・ぜんすけ

朝日日本歴史人物事典 「高木善助」の解説

高木善助

没年:安政1(1854)
生年:生年不詳
江戸後期の両替商。大坂天満に生まれ,十人両替平野屋五兵衛の分家で,平野屋彦兵衛を名乗る。通称善助本家の平野屋五兵衛は大和国(奈良県)高木村の出身で高木姓を称える。初代五兵衛は寛永13(1636)年大坂で両替屋を開業。その住まいは今橋1丁目にあり,同じ今橋の天王寺屋五兵衛の居宅にはさまれた横町は,世に「天五に平五,十兵衛横町」といわれた。 善助は薩摩藩藩政改革に参画し,藩主島津重豪,斉興から信認を受けた藩政改革家調所広郷によって資金調達のために登用された新組銀主の中心人物となり,出雲屋孫兵衛らと共に活躍した。『薩陽往返記事』を著し,幕末期における九州や中国筋の経済や生活などを活写した紀行文を書き残している。

(作道洋太郎)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「高木善助」の解説

高木善助 たかぎ-ぜんすけ

?-1854 江戸時代後期の商人
大坂の人で十人両替平野屋五兵衛の分家。調所広郷(ずしょ-ひろさと)による薩摩(さつま)鹿児島藩の藩政改革のための資金調達に協力した。薩摩との行き来もとに紀行文「薩陽往返記事」をあらわした。嘉永(かえい)7年死去。名は庸之。屋号は平野屋。

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