高橋理明(読み)たかはしみちあき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「高橋理明」の意味・わかりやすい解説

高橋理明
たかはしみちあき

[生]1928.2.17. 大阪
[没]2013.12.16. 大阪
ウイルス学者。水痘ワクチン開発で知られる。1954年大阪大学医学部を卒業,翌 1955年に同大学微生物病研究所に入り,のち麻疹急性灰白髄炎のウイルスの弱毒化によるワクチン開発の研究を始める。1963~64年アメリカ合衆国のベイラー医科大学に留学。1971年頃から水痘ワクチン関連の仕事に携わり,1974年ワクチンの効果が確かめられた。1979年にはその成果をアメリカで発表,その後アメリカの国立衛生研究所 NIH主導で水痘ワクチンの研究が始まった。1986年日本で認可され,その後外国でも普及,世界保健機関 WHOが認める唯一の水痘ワクチンとなった。2013年現在,80ヵ国以上で使われ,千数百万人の児童恩恵を被る。1991年大阪大学を退官,1994年から大阪大学微生物病研究会の理事を務めた。1985年朝日賞,2008年タイのプリンス・マヒドン賞を受賞。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「高橋理明」の解説

高橋理明 たかはし-みちあき

1928-2013 昭和後期-平成時代のウイルス学者,公衆衛生学者。
昭和3年2月17日生まれ。昭和38年阪大助教授となり,2年間アメリカ留学。49年水痘(水疱瘡)生ワクチンを開発。このワクチンは世界保健機関(WHO)が認める唯一の水痘ワクチンで世界各国で1000万以上接種され,最近では帯状疱疹(たいじょうほうしん)の発生抑制にも効果が認められて注目される。53年阪大微生物病研究所教授,59年同研究所長。60年朝日賞。平成20年タイのプリンス・マヒドン賞。平成25年12月16日死去。85歳。大阪府出身。阪大卒。

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