高麗・狛(読み)こま

精選版 日本国語大辞典 「高麗・狛」の意味・読み・例文・類語

こま【高麗・狛】

[1]
[一] 紀元前一世紀から七世紀にかけて、中国東北部、朝鮮半島北部にあった国。→高句麗(こうくり)
書紀(720)神功皇后摂政前(北野本南北朝期訓)「是に高麗(コマ) 百済(くたら)二国(ふたつのくに)の王(こきし)
[二] 日本で朝鮮半島をいう語。
源氏(1001‐14頃)若菜下「こまの青地の錦の端さしたるしとねにまほにもゐて」
[三] 高句麗(こうくり)の渡来人の子孫朝廷から、王、朝臣、造、連、使主、首、宿禰などの姓を与えられる。霊亀二年(七一六)、武蔵国に高麗郡が置かれ、関東・東海七国の高麗人が移された。
[四] 京都府南部、相楽郡山城町上狛・精華町下狛付近一帯をいう。
[2] 〘接頭〙 名詞の上に付いてそれが朝鮮半島から伝わったものであることを表わす語。「こまにしき」「こまつるぎ」など。
[補注]「高麗」を「こま」と読む理由は諸説あるが未詳。「高句麗」が滅んだ後も「こま」という名称は朝鮮半島を指す名として残り、「源氏‐桐壺」で幼い光源氏の人相を観た「高麗人」は渤海国の人。

こま【高麗・狛】

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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