鬱悒い(読み)イブセイ

デジタル大辞泉 「鬱悒い」の意味・読み・例文・類語

いぶせ・い【鬱悒い】

[形][文]いぶせ・し[ク]
気分が晴れず、うっとうしい。気づまりである。
天井は―・きまで低し」〈鴎外訳・即興詩人
「ひさかたの雨の降る日をただ独り山辺にをれば―・かりけり」〈・七六九〉
むさ苦しい。汚らしい。見苦しい。
「屋並の揃わない小家つづき…、あたりは一層―・く貧し気に見える」〈荷風つゆのあとさき
「帯が垢付いて―・い」〈浮・妾気質〉
心がいたみ気がかりだ。
「心苦しう―・くて、二とせをおくりつる心のうちを書き給ひて」〈平家・一〇〉
対象となる人や事物が、いとわしくていやだ。不快である。
「やがてその興つきて、見にくく、―・く覚えければ」〈徒然・一五四〉
恐ろしい。気味が悪い。
「見る目―・き呵責のせめ」〈浄・忠臣講釈

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android