鬼の首を取ったよう(読み)おにのくびをとったよう

精選版 日本国語大辞典 「鬼の首を取ったよう」の意味・読み・例文・類語

おに【鬼】 の 首(くび)を取(と)ったよう

強い鬼を討ち取ることから、大きいてがらを立てたように得意になるようす。
浮世草子傾城禁短気(1711)二「『今宵のやうなしがくは、いかふ私めが気骨が折れます』と、鬼の首も取たやう成勢ひ」

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デジタル大辞泉 「鬼の首を取ったよう」の意味・読み・例文・類語

おにくびったよう

大変な功名手柄を立てたかのように得意になるさま。「鬼の首を取ったような喜びよう」
[類語]有頂天歓喜狂喜驚喜欣喜雀躍随喜得意好い気・絶頂感・優越感意気揚揚誇らか揚揚得得鼻高高誇らしい鼻が高い肩身が広いときしたり顔自慢顔自慢たらしい会心昂然こうぜん胸を張る得意満面得意顔勝ち誇る肩を張る肩で風を切るこれ見よがし意気が揚がるうぬぼれるのぼせるひけらかす顎をなでるどや顔所得ところえ手柄顔おご肩肘かたひじ張る天狗になる見得を切る大見得を切る高ぶる誇示見せつける

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ことわざを知る辞典 「鬼の首を取ったよう」の解説

鬼の首を取ったよう

さほどでもないことを、さも大手柄を立てたかのように喜んで得意げにふるまうさま。

[使用例] 「仲田君はうちにいらっしゃいますか」「ええ」「どこにいらっしゃるのです」「お花の稽古に」これだけの会話が、彼にとっては鬼の首でもとったように嬉しかった[武者小路実篤*友情|1919]

[解説] 日本の戦では、討ち取った敵の首を持ち帰り、後日論功行賞拠り所としました。持ち帰った首が名のある武将のものであれば、大きな手柄となったのです。こうした風習をふまえたことわざでしょう。強い鬼の首を取ることは、何にも増して大手柄になるはずですが、ことわざは逆説的に、自分の手柄を実質以上に大きいものと思ってむやみに喜ぶさまを批判したり揶揄する場面で用いられます。

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