鬼板(読み)おにいた

精選版 日本国語大辞典 「鬼板」の意味・読み・例文・類語

おに‐いた【鬼板】

〘名〙
檜皮葺(ひわだぶき)(こけらぶき)箱棟(はこむね)両端を飾る板。鬼面がなくてもいう。〔紙上蜃気(1758)〕
② 愛知県瀬戸地方でとれる褐色鉱。平板で鬼瓦に似ているところからいう。焼いて粉末にし、紅殻(べにがら)状にしたものを赤絵薬といって、天目釉、釉下絵などに用いる。
③ 客の相手となって売買をする「呑み屋(もぐりの取引員)」が作っている帳板の足取り早見表のこと。〔取引所用語字彙(1917)〕

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デジタル大辞泉 「鬼板」の意味・読み・例文・類語

おに‐いた【鬼板】

檜皮葺ひわだぶきや杮葺こけらぶきで、箱棟の両端に鬼瓦の代わりに取り付ける板。

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改訂新版 世界大百科事典 「鬼板」の意味・わかりやすい解説

鬼板 (おにいた)

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世界大百科事典(旧版)内の鬼板の言及

【鬼瓦】より

…このため,棟端飾板の名もある。8世紀以降,建物の安穏を祈り鬼面を飾ったものが主として用いられたため,鬼瓦の名称が一般的で,鬼板とも呼ぶが,7世紀代には蓮華文で飾った。日本最古の鬼瓦は法隆寺若草伽藍のもので,複数の単弁8弁蓮華文を焼成前に彫刻している。…

【社寺建築構造】より

…棟の端には鴟尾(しび)あるいは鬼瓦を置き,または鳥衾(とりぶすま)をのせる。檜皮葺きや柿葺きの棟は,近畿地方では瓦を積んだ瓦棟が多く,他の地方では木でつくった箱棟が多く,両端には外形が鬼瓦に似た鬼板を用いる。鬼瓦や鬼板のかわりに,円筒形の経巻(きようのまき)と呼ばれるものを3個のせた獅子口(ししぐち)が,唐破風(からはふ)などに使われる。…

※「鬼板」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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