(読み)マグロ

デジタル大辞泉 「鮪」の意味・読み・例文・類語

まぐろ【×鮪】

スズキ目サバ科マグロ属の海水魚総称クロマグロキハダメバチビンナガなど。体は大形で紡錘形をし、背面青黒色腹面銀白色外洋を回遊し、体側赤色筋血合ちあい)が発達している。刺身鮨種すしだねなどにする。 冬》
性交のときに自らは体を動かさず、ただ寝転がっている相手
[類語](1黒鮪本鮪めじめじ鮪目撥めばち黄肌きはだ南鮪インド鮪鬢長びんなが梶木かじき

しび【×鮪】

クロマグロキハダビンナガ別名

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「鮪」の意味・読み・例文・類語

ま‐ぐろ【鮪】

〘名〙
① 魚「くろまぐろ(黒鮪)」の異名。《季・冬》 〔本朝食鑑(1697)〕
俳諧・続一夜松前集(1785)「月はれてまた傘の雨そそぎ〈完来〉 魚馬(マグロ)うち込秋汐の岸〈執筆〉」
② サバ科マグロ属に属する海魚の総称。クロマグロ、キハダマグロメバチマグロビンナガマグロなど。
轢死(れきし)体をいう俗語。〔現代語大辞典(1932)〕
④ ごろりとした大きなもの、反応の鈍いものをいう。→まぐろを抱いて寝たよう
[語誌](1)「古事記‐下・歌謡」や「万葉‐四二一八」には「鮪(しび)突く」とあり、古代から銛(もり)で突く漁が行なわれていたらしい。また「万葉‐九三八」の「鮪(しび)釣ると 海人船騒き」からは、鮪釣りも行なわれていたことがうかがわれる。
(2)今日のような食用魚としての地位を確立したのは、近世後期の二度の大豊漁を経てからである。一度目の文化七~八年(一八一〇‐一一)の冬は、醤油に漬け込んだ「づけ」として、二度目の天保三年(一八三二)には、生のままで、すし種として広まった。
(3)「とろ」が一般的に食べられるようになったのは昭和になってからで、元来「あら」に過ぎない安価な「とろ」を、東京に集まった地方の学生が賞味したことから始まったらしい。

しび【鮪】

〘名〙 魚「まぐろ(鮪)」の異名。
※古事記(712)下・歌謡「大魚よし 斯毘(シビ)突く海人よ 其が離(あ)れば うら恋しけむ 志毘(シビ)突く志毘」

はつ【鮪】

〘名〙 魚「まぐろ(鮪)」の異名。〔和漢三才図会(1712)〕

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動植物名よみかた辞典 普及版 「鮪」の解説

鮪 (マグロ)

動物。サバ科のマグロ属の魚類の総称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【平群氏】より

…平群真鳥は武烈朝に至るまで大臣の地位にあり,とりわけ武烈朝においては国政をもっぱらにするとともに,天皇の位を奪うことを企てていたという。また真鳥の子の鮪(しび)は,海柘榴市(つばいち)の歌垣で物部影媛をめぐり武烈と争い,不遜な言動があった。こうしたことが原因となり,真鳥と鮪は武烈天皇の意を受けた大伴金村の攻撃を受け,滅亡する。…

※「鮪」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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