鮮やぐ(読み)アザヤグ

デジタル大辞泉 「鮮やぐ」の意味・読み・例文・類語

あざ‐や・ぐ【鮮やぐ】

[動ガ四]
はっきり目に見える。鮮やかに見える。
侍従も、あやしきしびら着たりしを、―・ぎたれば」〈浮舟
きりっとしている。てきぱきしている。
「物々しく―・ぎて、心ばへもたをやかなる方はなく」〈宿木
[動ガ下二]鮮やかにする。はっきりさせる。
「宮達の御衣おんぞばかりをぞ、―・げさせ給ひて」〈栄花・ゆふしで〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「鮮やぐ」の意味・読み・例文・類語

あざ‐や・ぐ【鮮やぐ】

[1] 〘自ガ四〙 (「やぐ」は接尾語)
① まわりからはっきりと目立って注意を引く。際立つ。
源氏(1001‐14頃)浮舟「侍従も、あやしきしびら着たりしを、あざやぎたれば、その裳をとり給ひて、君に着せ給ひて」
性質などが、てきぱきしている。はっきりしてきついところがある。きりっとしている。
※源氏(1001‐14頃)乙女「ねたしとおぼすに、御心動きて、少し雄々しくあざやぎたる御心には、しづめがたし」
③ しなやかでない。ごつごつする。
※源氏(1001‐14頃)手習「白きひとへの、いと情なくあざやぎたるに」
[2] 〘他ガ下二〙 ((一)の他動詞化したもの) ぱっと派手な美しさにする。あざやかにする。
※栄花(1028‐92頃)ゆふしで「よろづ変らぬ御有様なるに、宮たちの御衣(おんぞ)ばかりをぞ、あざやげさせ給て」

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