鯔・鰡(読み)ぼら

精選版 日本国語大辞典 「鯔・鰡」の意味・読み・例文・類語

ぼら【鯔・鰡】

〘名〙
① スズキ目ボラ科の海産魚。全長約八〇センチメートルに達する。体は丸みを帯びて細長く、頭の背面が平らで広い。背方は灰青色で腹方は銀白色。沿岸魚であるが河口にも出入し、幼魚は河川の中流域までさかのぼる。雑食で海底の有機物や藻類を泥とともに混食し、ゴカイなどの動物食もとる。世界各地の温帯・熱帯の沿岸に分布。養殖もされる。成長とともに呼称の変わる出世魚で、ごく小さい稚魚をオボコまたはスバシリ淡水にはいってくるころをイナ、海に帰って成熟したものをボラ、きわめて大きい成魚をトドなどと呼ぶ。食用とし、特に冬季の「寒ボラ」が美味。胃は筋肉層が発達し、「ボラのへそ」「ソロバンダマ」と称し、塩焼きなどにする。卵巣は塩づけにして「からすみ」をつくる。日本近海には近縁の魚にメナダなど数種を産する。マボラ。《季・秋》
日葡辞書(1603‐04)「Bora(ボラ)〈訳〉名吉(みょうきち)、あるいは、江鮒(えぶな)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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