鰐塚山地(読み)ワニツカサンチ

デジタル大辞泉 「鰐塚山地」の意味・読み・例文・類語

わにつか‐さんち【鰐塚山地】

宮崎県南部にある山地最高峰鰐塚山標高1118メートル)を中心とした、日南海岸都井といを含む南北に長い山地。西部は1000メートル前後、東部は700メートル前後。東部のみ鵜戸うど山地と呼ぶこともある。また、鵜戸山地・日南山地を合わせ南那珂なか山地ともいう。海岸部は日南海岸国定公園に属する。

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改訂新版 世界大百科事典 「鰐塚山地」の意味・わかりやすい解説

鰐塚山地 (わにつかさんち)

宮崎平野の南部から志布志湾にかけての山地。最高峰は鰐塚山(1118m)。地質はほぼ西半分が中生層,東半分が第三紀層である。西部(狭義の鰐塚山地)は比較的なだらかで,都城盆地に続いている。東部の鵜戸山地は標高はあまり高くないものの急峻で,海岸部に平地はみられず,出入りの多い海岸線を形成している。年降水量約3000mm,年平均気温17℃と林業に好適な自然条件となっており,特に飫肥(おび)藩が育成した飫肥杉は有名である。飫肥杉は弾力性に富み,水切れがよいため造船材に適し,かつては需要が大きかったが,木造船の減少とともに一般建築材への転換がはかられている。青島から都井岬にかけての海岸線には,砂岩,ケツ岩からなるケスタ地形,亜熱帯植物自生などがみられ,日南海岸国定公園に指定されている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「鰐塚山地」の意味・わかりやすい解説

鰐塚山地
わにつかさんち

宮崎県南部、日南海岸(にちなんかいがん)、都井岬(といみさき)や鰐塚山(1118メートル)を含む山地。南那珂山地(みなみなかさんち)、日南山地ともよばれ、東部のみ鵜戸山地(うどさんち)とよばれることがある。第三紀の砂岩、泥岩からなり、西部は標高1000メートル前後の晩壮年期山地、東部は標高こそ700メートル前後と低いが壮年期山地で、傾動地塊をなして南北に走る。西部は都城(みやこのじょう)盆地の東壁、北部は宮崎平野の南限をなし、青井(あおい)岳(563メートル)や牛ノ峠(うしのとうげ)は歴史的に各地域間交通の要衝であった。温暖多雨な気候に恵まれて飫肥(おび)杉の造林面積が広く、日南海岸沿岸(国定公園)は亜熱帯植物も分布する。鰐塚山、双石山(ぼろいしやま)、加江田渓谷(かえだけいこく)、猪八重滝(いのはえのたき)は、わにつか県立自然公園に指定されている。

[横山淳一]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鰐塚山地」の意味・わかりやすい解説

鰐塚山地
わにつかさんち

宮崎県南部にある山地。最高点は鰐塚山 (1118m) 。都城盆地と日南海岸の間にあり,南方にゆるく傾斜して都井 (とい) 岬まで延びる。スギの美林地帯で,飫肥 (おび) 杉として有名。わにつか県立自然公園に属する。

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