鳳閣寺(読み)ほうかくじ

精選版 日本国語大辞典 「鳳閣寺」の意味・読み・例文・類語

ほうかく‐じ【鳳閣寺】

奈良県吉野郡黒滝村鳥住にある真言宗鳳閣寺派の大本山山号は百螺山。正称は鳳閣寺真言院。寛平七年(八九五聖宝(しょうぼう)開創役小角(えんのおづの)卒塔婆建立し万塔山鳥栖庵(とすあん)と称したともいう。修験道の根本道場。宇多天皇以来歴代天皇の祈願所

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デジタル大辞泉 「鳳閣寺」の意味・読み・例文・類語

ほうかく‐じ【鳳閣寺】

奈良県吉野郡黒滝村にある真言宗鳳閣寺派の本山。山号は、百螺山。開創は寛平7年(895)。開山は聖宝。修験道の根本道場であった。鳥栖寺。

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日本歴史地名大系 「鳳閣寺」の解説

鳳閣寺
ほうかくじ

[現在地名]黒滝村大字鳥住字鳳閣寺

吉野山奥千本の山続き、百貝ひやつかい(百螺山)の中腹北側の台地にある。もとは真言宗醍醐派に属したが、近年独立して真言宗鳳閣寺派本山。百螺山と号し、本尊如意輪観音縁起によれば役行者の開山に始まったといい、空海の巡錫に続いて、寛平七年(八九五)聖宝(理源大師)金峯きんぶ山の行場を開発、再興の拠点として当寺に真言院を興した(聖宝僧正伝、栄花物語、醍醐寺縁起)昌泰二年(八九九)に聖宝がここで伝法灌頂を行って多くの道俗に授けたことは有名で、成賢の「大峯万行自在次第」の中の「灌頂会記」には「受者僧衆六人 山伏衆十三人 結縁灌頂の日公卿士遮人三百四十人」とある。

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改訂新版 世界大百科事典 「鳳閣寺」の意味・わかりやすい解説

鳳閣寺 (ほうかくじ)

奈良県吉野郡黒滝村にある真言宗鳳閣寺派(もと醍醐派院室)の寺。百螺山真言院と号する。役行者(えんのぎようじや)が草創し,895年(寛平7)聖宝(しようぼう)(理源大師)が毒蛇を退治して大峰入峰を再興し,900年(昌泰3)峰授の秘密灌頂(かんぢよう)(恵印(えいん)灌頂)をここで行い,その後弟子貞崇に付属したと伝える。1699年(元禄12),江戸戒定慧院俊尊は,三宝院門主高賢の命を受けて当寺の住職となり,当山修験諸国総袈裟頭を務めた。本尊は聖宝の自作とされる如意輪観音像で,寺宝に聖宝所持という法螺(ほら)貝,大蛇頭骨,宇多天皇下賜の衣片などがある。また寺の後方百螺山上には聖宝の遺骨を納めたと伝えられる廟塔(正平24年(1369)銘,重文)がある。
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