鴎蘭(読み)かもめらん

精選版 日本国語大辞典 「鴎蘭」の意味・読み・例文・類語

かもめ‐らん【鴎蘭】

〘名〙
ラン科多年草。四国および本州中部以北の深山、朝鮮、サハリン、ウスリー地方に生える。高さ約一〇センチメートル。葉はただ一枚根ぎわに生じ、長さ四~七センチメートルの広卵円形で、基部は茎をつつむ。茎の下部には二~三枚の膜質鞘状の葉がある。七月ごろ、茎の上部に径約八ミリメートルの淡紅色の左右相称花を二~三個横向きにつける。唇弁はやや大きく広卵形で濃紅紫色の斑点があり、花柄のつけ根に長さ一~二・五センチメートルの長卵形の苞葉がある。和名は花の姿によるという。かもめそう。いちようちどり。ふたばないちようらん。
随筆・柳庵随筆余編(1860)「松葉蘭に次(つづひ)て、鴎蘭(カモメラン)、ビロド蘭の二種を江戸にて賞翫す」
② 植物「みやまうずら(深山鵜)」の異名。〔日本植物名彙(1884)〕

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デジタル大辞泉 「鴎蘭」の意味・読み・例文・類語

かもめ‐らん【××蘭】

ラン科の多年草。深山に生え、高さ10~15センチ。広楕円形の葉を1枚つけ、夏に淡紅色の花を2、3個つける。一葉千鳥いちようちどり鴎草

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動植物名よみかた辞典 普及版 「鴎蘭」の解説

鴎蘭 (カモメラン)

学名Galeorchis cyclochila
植物。ラン科の多年草,高山植物

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