鴨嘴(読み)カモノハシ

デジタル大辞泉 「鴨嘴」の意味・読み・例文・類語

かも‐の‐はし【××嘴】

単孔目カモノハシ科の原始的な哺乳類体長約45センチ、尾長約15センチ。鴨に似たくちばしをもち、体は太く黒褐色、四肢は短く、足に水かきが発達。尾は扁平河川の堤に長い穴を掘ってすみ、卵を産み、孵化ふかした子は乳で育てる。オーストラリア南東部やタスマニア島に生息
イネ科多年草。日当たりのよい砂地に生え、高さ約60センチ。葉は細く長い。7~10月につける2個の半円柱形の花穂は、鴨のくちばしに似る。

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精選版 日本国語大辞典 「鴨嘴」の意味・読み・例文・類語

かも‐の‐はし【鴨嘴】

〘名〙
① 鴨のくちばし。
日葡辞書(1603‐04)「Camono(カモノ) faxini(ハシニ) カミヲ ユウ〈訳〉日本人たちが頭の毛を、鴨のくちばしに似た曲線をもったふうに結ぶ」
② 単孔目カモノハシ科の哺乳類。体長四〇~六〇センチメートル、尾長九~一五センチメートル。体は卵形で、褐色の軟毛でおおわれる。カモのように扁平で幅広いくちばしをもつ。短い四肢には水かきがあって遊泳に適し、水生昆虫や甲殻類を食べる。卵生で、孵(ふ)化した子は乳で育てるなど最も原始的な哺乳類とされる。オーストラリア、タスマニアに分布し、川や湖沼土手に穴を掘ってすむ。
※博物図教授法(1876‐77)〈安倍為任〉二「鴨嘴獣(カモノハシ)墺太利(オーストラリヤ)産の奇獣にして」
③ イネ科の多年草。本州以西の海岸の日当りのよい砂地に生える。高さ約六〇センチメートルになる。茎は叢生(そうせい)し、下部は横にはい、また節ごとにまがって斜上し、上部は直立する。葉は長さ一五~三〇センチメートルの線形。夏、こずえに長さ三~八センチメートルの紫赤色の半円柱形花穂を二個つけ、一個の円柱状花穂のように見える。同属ケカモノハシがある。はさみがや。〔日本植物名彙(1884)〕

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動植物名よみかた辞典 普及版 「鴨嘴」の解説

鴨嘴 (カモノハシ)

学名Ischaemum aristatum var.glaucum
植物。イネ科の多年草

鴨嘴 (カモノハシ)

学名:Ornithorhynchus anatinus
動物。カモノハシ科の卵生の哺乳動物

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