鵜ノ瀬堰(読み)うのせぜき

日本歴史地名大系 「鵜ノ瀬堰」の解説

鵜ノ瀬堰
うのせぜき

[現在地名]甲佐町豊内

緑川中流上豊内かみとようちにあり、慶長一二年(一六〇七)加藤清正が緑川と釈迦院しやかいん川を合流させるために築いた堰。緑川は以前は現在の流路より東側の丘陵に沿って、上豊内村から横田よこた岩鼻いわばな大町おおまち立岩たていわ水神・下横田浅井あさい上早川かみそうがわ村・下早川村を経て山出やまいで村、じん村・秋只あきただ(現御船町)御船原みふねばるの西側を流れ、釈迦院川は緑川の現在の流路にほぼ近い形で流れていた。二つの流れを一つにまとめて従来の氾濫を防ぎ、灌漑施設を設けて耕地増大を図るため、緑川の流れを上豊内村で遮断して方向を変え、新川を日和瀬ひよりせまで掘り、下益城郡岩下いわした(現中央町)から釈迦院川との合流を図った。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の鵜ノ瀬堰の言及

【甲佐[町]】より

…町名は阿蘇四社の一つとして知られた甲佐神社にちなむ。1607年(慶長12)に加藤清正が築造した鵜ノ瀬堰から取水する大井手用水が町を貫流し,灌漑用水,生活用水として利用されている。農業が主産業で米作,酪農,養蚕,果樹を組み合わせた複合経営を行う。…

※「鵜ノ瀬堰」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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