鸚鵡貝(読み)おうむがい

精選版 日本国語大辞典 「鸚鵡貝」の意味・読み・例文・類語

おうむ‐がい アウムがひ【鸚鵡貝】

〘名〙 頭足類オウムガイ科の軟体動物。イカ、タコに近い類で、自分で巻貝状の殻を作って胴部を入れ、頭部から約一〇〇本の触手を出す。殻は長径約二〇センチメートル、幅約九センチメートルで、表面は白色地色に橙褐色の放射帯があり、内側は小室に分かれ、強い真珠光沢がある。巻き込むところは黒く、形が鸚鵡の嘴(くちばし)に似ているのでこの名がある。フィリピン以南の珊瑚礁にすみ、水深約二〇メートルを上下移動する。死んだあとの殻がまれに日本にも流れつく。「生きている化石」といわれる、古生代中生代に栄えた古い形の動物。殻は、酒杯や螺鈿(らでん)などに用いられる。〔大和本草(1709)〕

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デジタル大辞泉 「鸚鵡貝」の意味・読み・例文・類語

おうむ‐がい〔アウムがひ〕【××鵡貝】

頭足綱オウムガイ科の軟体動物。カンブリア紀に出現し古生代前半に繁栄。現在、4あるいは6種が熱帯海域にすみ、生きている化石とよばれる。現生種は殻長約20センチ、平面螺旋らせん形に巻いた白い殻がオウムのくちばしを思わせる。殻の最外部の室にタコに似た軟体部があり、触手を雄で約60本、雌で約90本もち、吸盤はない。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「鸚鵡貝」の解説

鸚鵡貝 (オウムガイ)

学名Nautilus pompilius
動物。オウムガイ科の貝

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