鹿部温泉(読み)しかべおんせん

日本歴史地名大系 「鹿部温泉」の解説

鹿部温泉
しかべおんせん

[現在地名]茅部郡鹿部町字鹿部

鹿部港の海岸沿いにある温泉の総称。泉源が三〇ヵ所以上あり、それぞれ泉質が異なるが、硫黄塩泉を主とする。適応症は神経痛・関節痛・打身・リウマチ性疾患・高血圧症・皮膚病など。「ケプロン報文」(来曼測量初期報文)には五ヵ所があげられており、いずれも海岸の砂浜近傍に所在する。「少許ノ鉄ヲ含ム、瓦斯球上昇ス」とあり、最大の第一泉は「少シ深キ所ハ沸騰スルナラン」「二百碼ヲ隔テ満潮ニ隠クル」と報告されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「鹿部温泉」の意味・わかりやすい解説

鹿部温泉
しかべおんせん

北海道南西部、鹿部町にある温泉。内浦湾岸に湧出(ゆうしゅつ)する。鹿の湯、吉の湯、鶴(つる)の湯などがあり、鶴の湯はほぼ10分おきに約100℃の熱湯を15メートルほど噴出する間欠泉。現在は「しかべ間歇泉公園」として整備されている。泉質は塩化物泉硫酸塩泉。豊富な湯はウナギ養殖リハビリテーションにも利用される。JR函館本線鹿部駅下車。

[瀬川秀良]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鹿部温泉」の意味・わかりやすい解説

鹿部温泉
しかべおんせん

北海道南部,鹿部町に湧く温泉。太平洋に面し,内浦湾のかなた羊蹄山をのぞむ景勝地でもある。泉質は食塩泉泉温は 60~100℃。胃腸病や神経痛などによい。寛永5 (1628) 年の発見という歴史の古い温泉で,共同浴場も4ヵ所あり,豊富な湯量を生かしてウナギの養殖などにも温泉が利用されている。

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