麻衣(読み)アサギヌ

デジタル大辞泉 「麻衣」の意味・読み・例文・類語

あさ‐ぎぬ【麻衣】

麻布で作った粗末な着物
勝鹿かつしかの真間の手児名てごなが―に青衿あをくび着け」〈・一八〇七〉
喪中に着る白い麻の衣服。あさごろも。あさのきぬ。
「たへの穂の―れば夢かもうつつもと」〈・三三二四〉

あさ‐ごろも【麻衣】

あさぎぬ」に同じ。
「使はしし御門の人も白たへの―着て」〈・一九九〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「麻衣」の意味・読み・例文・類語

あさ‐ぎぬ【麻衣】

〘名〙
催馬楽(7C後‐8C)夏引「汝(まし)安左支奴(アサギヌ)も 我が妻(め)の如く 袂よく 着よく肩よく」
万葉(8C後)九・一八〇七「勝鹿の 真間の手児奈が 麻衣(あさぎぬ)青衿(あをくび)着け」
書紀(720)允恭四二年正月(図書寮本訓)「筑紫に到りて亦大いに哭(みねたてまつ)る。難波津に泊りて、則ち皆素服(アサキヌ)たまはる」

あさ‐ごろも【麻衣】

※万葉(8C後)二・一九九「遣(つか)はしし 御門の人も 白妙の 麻衣着て」
※後拾遺(1086)雑三・一〇二八「けふとしも思ひやはせしあさ衣涙の玉のかかるべしとは〈よみ人しらず〉」

ま‐い【麻衣】

〘名〙
① 麻(あさ)ころも。麻の白い着物。あさごろも。礼服僧侶の衣服に用いた。まえ。〔音訓新聞字引(1876)〕 〔詩経‐曹風・蜉蝣
② (①を用いたところから) 喪服。〔礼記雑記・上〕

ま‐え【麻衣】

〘名〙 (「え」は「衣」の呉音) =まい(麻衣)
太平記(14C後)三九「今は散聖の道人と成せ給て、玉体を麻衣(マエ)草鞋にやつし」

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普及版 字通 「麻衣」の読み・字形・画数・意味

【麻衣】まい

麻の白い衣。喪の服。〔詩、曹風、蜉蝣〕蜉蝣(ふいう)掘(くつえつ)(ぬぎかえる) 衣、の如し 心の憂ふる 於(ここ)に我歸(きぜい)(帰処)せん

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