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…このことを戒めとしていた明朝も,永楽帝時代にチベットに対して積極的な懐柔政策をとりはじめると,特に青海やカム(喀木)地方で寺院を擁していた民族が,通貢の利得をねらって宮廷に入りこみ,約1世紀にわたって後宮の猥褻(わいせつ)な要請におもねり,歴代皇帝を惑乱して,チベット仏教を淫祠邪教とするぬぐいがたい印象を中国に残した。 15世紀初めころ,ツォンカパと呼ばれる天才的な僧が現れて,ラサの東方40kmの地にガンデン大僧院を建て,ゲルー(〈徳行〉),あるいは黄帽派ともいわれる一宗を開いた。青海の西寧近くに生まれ,中央チベットに出て,西寄りのツァンに赴き,サキャ派のレンダーワ(1349‐1412)などに師事して顕密2教,特に中観帰謬論証派の哲学やタントラ仏教を学んだ。…
※「黄帽派」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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