黍・稷(読み)きび

精選版 日本国語大辞典 「黍・稷」の意味・読み・例文・類語

きび【黍・稷】

〘名〙
① (「きみ(黍)」の変化した語) イネ科一年草。東アジアから中央アジアの原産で、穀物として新石器時代から、ユーラシアで栽培され、日本には彌生時代大陸から渡来し、現在では主に北海道、広島県、徳島県、熊本県などで栽培されている。稈(かん)は直立叢生して、高さ一メートル以上になる。葉は互生し、細長い剣状で幅約一・三センチメートル、葉鞘(ようしょう)とともに長い毛を密生する。秋、茎頂から円錐形の花穂をたれる。きみ。こきび。《季・秋》 〔観智院本名義抄(1241)〕
植物もろこし(蜀黍)」の異名。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕

きみ【黍・稷】

〘名〙
① =きび(黍)
万葉(8C後)一六・三八三四「梨棗(なつめ)寸三(きみ)に粟次ぎ蔔(は)ふ田葛(くず)の後(のち)も逢はむと葵花咲く」
② 植物「とうもろこし(玉蜀黍)」の異名。〔物類称呼(1775)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android