黒テント

デジタル大辞泉プラス 「黒テント」の解説

黒テント

日本の劇団。1968年に組織された演劇集団「演劇センター」の活動のひとつとして、1970年秋から始まった大型仮設テントによる移動公演「翼を燃やす天使たちの舞踏」(演出:佐藤信)を活動の起源とする。20年近くにわたり「68/71黒色(くろ)テント」の名で活動してきたが、1990年に長年の通称である「黒テント」を正式名称として採用し、現在に至る。劇団の起源である仮設テントによる移動公演のほか、少人数の演劇「赤いキャバレー」、演劇ワークショップ、海外公演など、多彩な演劇活動を展開。2005年からは、東京都新宿区、神楽坂に開設した自前の小劇場「イワト劇場(シアターイワト)」を拠点に活動した(同劇場は2012年に閉館)。所属メンバーに、山元清多、加藤直、斎藤晴彦清水紘治、桐谷夏子、服部良次(のちの服部吉次)など(退団・物故者含む)。代表作に「阿部定の犬」「比置野ジャンバラヤ」「逆光線玉葱」「都会のジャングル」「三文オペラ 黒色テント版」など。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「黒テント」の意味・わかりやすい解説

黒テント
くろテント

劇団名。 1969年に劇団自由劇場と劇団六月劇場が結成したグループ「演劇センター 68/69」を母体とする。 70年9月からの黒色テントによる移動公演を経て,71年3月両劇団が解散し,「68/71黒色テント」として再発足。佐藤信,山元清多,加藤直の3劇作家を擁し,多彩な舞台づくりで小劇場演劇第一世代の一翼をになった。 91年現名称に改称。代表作は佐藤信の「喜劇昭和の世界」3部作をなす『阿部定の犬』『キネマ怪人』『ブランキ殺し上海の春』 (1975~76) ,山元清多の『比置野 (ピノッキオ) ジャンバラヤ』 (82) ,『黒色テント版・三文オペラ』 (88) など。テント公演と並行して「赤いキャバレー」と名づけた移動公演のレパートリーも多い。

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