黒川金山(読み)くろかわきんざん

改訂新版 世界大百科事典 「黒川金山」の意味・わかりやすい解説

黒川金山 (くろかわきんざん)

山梨県甲州市にあった武田氏時代に繁栄した金山。16世紀の半ば最盛期を迎え,黒川千軒と呼ばれたが,1570年代には衰え,廃山となった。在地武士団である黒川金山衆が稼行し,武田領の鉱山の中心であった。それまでの砂金による金精錬とともに,早く坑道掘りによる山金(鉱石)の採掘と,灰吹きによる金精錬とが行われ,江戸時代の採鉱・冶金技術の先駆として,重要な役割を果たした。
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百科事典マイペディア 「黒川金山」の意味・わかりやすい解説

黒川金山【くろかわきんざん】

戦国期,甲斐(かい)国にあった武田氏の金山。甲州金山中核をなし,山梨県塩山市(現・甲州市)北部鶏冠山山中に位置した。発掘調査によると,黒川千軒地区の鉱山町は16世紀前半頃に始まり,17世紀初頭まで繁栄,のち縮小されつつも17世紀末まで経営された。経営を担当したのは金山(かなやま)衆と呼ばれる地侍(じざむらい)層で,配下掘子を従えて採鉱に従事する一方軍役衆として合戦にも参加した。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「黒川金山」の解説

黒川金山
くろかわきんざん

戦国期,武田氏の支配時代に甲斐国で栄えた金山。現在の山梨県甲州市塩山にあった。武田信虎の時代に採掘が行われたというが,その子信玄の時代に最盛期をむかえた。1577年(天正5)信玄の子勝頼はここを管理する金山衆に,塩山方面からの物資を運ぶ馬に課す税を一部免除している。武田氏支配の末期に金脈が途絶えて閉山。金山衆は塩山地区の中村・大野・風間・田辺氏などの土豪からなる。遺跡は国史跡

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国指定史跡ガイド 「黒川金山」の解説

くろかわきんざん【黒川金山】


⇒甲斐金山遺跡(かいきんざんいせき)

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