黒漆の太刀(読み)コクシツノタチ

デジタル大辞泉 「黒漆の太刀」の意味・読み・例文・類語

こくしつ‐の‐たち【黒漆の太刀】

つかさやから金具に至るまで、すべて黒漆塗りにした太刀武家寺院僧兵たちに多く用いられた。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「黒漆の太刀」の意味・読み・例文・類語

こくしつ【黒漆】 の 太刀(たち)

① 柄(つか)、鞘(さや)から金具に至るまですべて黒漆塗りにした太刀。公家では六位以下の所用。製作が容易で実用的なため、武家や寺院の僧兵に多く用いられた。
※平松家本平家(13C前)一「勢至坊は附子縄目の腹巻に黒漆の太刀を抜き」
② 紋をつけず、蒔絵(まきえ)彫刻などの装飾を施さない凶事に用いる太刀。無紋(むもん)の太刀。
[補注]②の意として「三内口决(一五七九頃)」に「太刀〈略〉黒漆白飾太刀。凶事之時用之」の例がある。

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