鼎足(読み)テイソク

デジタル大辞泉 「鼎足」の意味・読み・例文・類語

てい‐そく【×鼎足】

[名](スル)
かなえあし
三方に割拠して相対すること。鼎立鼎峙ていじ
西鶴元禄巨人として芭蕉及び巣林子と―するは」〈魯庵・「破垣」発売停止に就き当路者及江湖に告ぐ
三人で力を合わせ、主君を補佐すること。多く、三公の場合にいう。

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精選版 日本国語大辞典 「鼎足」の意味・読み・例文・類語

てい‐そく【鼎足】

〘名〙
① かなえの足。また、かなえに足が三本あるところから、三つで一組をなすものをいう。
※歌舞妓年代記(1811‐15)七「いつも鼎足(テイソク)の友たる、勝川春章と、不佞に、是れを問ふ」
※三人妻(1892)〈尾崎紅葉〉前「雪見舟にも鼎足(テイソク)偕楽(むつみ)」 〔史記‐貨殖伝〕
② (━する) 三者が向かい合って立つこと。三方に割拠して対立すること。鼎立。鼎峙(ていじ)
米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉四「墺国は西方の文明国にて、仏国及ひ西班牙と鼎足をなしたり」 〔史記‐淮陰侯伝〕
③ (━する) 三人が力を合わせて国家・君主などをささえること。特に三公を指していう。
※新撰朗詠(12C前)上「若し野外の和羹の主を尋ねは、便ち是れ塩梅の鼎足の臣なり〈藤原義忠〉」 〔漢書‐馬宮伝〕

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普及版 字通 「鼎足」の読み・字形・画数・意味

【鼎足】ていそく

鼎の三足。相扶持し、また相対峙する関係をいう。〔史記、貨殖伝〕昔、人は河東し、殷人は河し、人は河南す。夫(そ)れ三河の天下の中に在ること、鼎足の如し。

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