ビンニツァ(読み)びんにつぁ(英語表記)Вiнниця/Vinnycya

デジタル大辞泉 「ビンニツァ」の意味・読み・例文・類語

ビンニツァ(Vinnytsya/Вінниця)

ウクライナ西部、ビンニツァ州都市。同州の州都。南ブーフ川沿いに位置する。14世紀にリトアニア大公国が建設した要塞都市に起源する。16世紀にポーランド領、18世紀末にロシア領になった。18世紀半ばに建てられたドミニコ会教会をはじめ、17世紀から18世紀頃に建てられた歴史的建造物が残っている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ビンニツァ」の意味・わかりやすい解説

ビンニツァ
Vinnytsya

ウクライナ中西部,ビンニツァ州の州都。首都キーウキエフ)の南西約 200km,南ブーグ川に臨む。1363年にリトアニア公アルギルダスの要塞が築かれたのが始まりで,のちにポーランド領,1793年にロシア領となった。1870年にキーウ―オデーサオデッサ)間の鉄道が建設されてから発展した。1937年から 1938年にかけて,ソビエト連邦の秘密警察,内務人民委員部 NKVDが 9400人以上の市民を処刑する「ビンニツァ大虐殺」が行なわれた。この事件は第2次世界大戦中の 1943年にこの地を占領していたドイツ軍がソ連権威を失墜させるために遺体を掘り起こすまで公表されなかった。農業の中心地として,食品工業(油脂,果実缶詰)が発達しており,ほかに化学(肥料),電機,建設資材などの工業がある。医科大学,教育大学,人形劇場,交響楽団などがある。人口 36万241(2005推計)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビンニツァ」の意味・わかりやすい解説

ビンニツァ
びんにつぁ
Вiнниця/Vinnycya

ウクライナ西部、ビンニツァ州の州都。人口35万7000(2001)、37万0017(2018推計)。ブーフ(南ブク)川上流に面し、キーウ―ワルシャワ間の鉄道に沿う。電気機器、通信機、ラジオ、トラクター部品、ベアリング化学肥料食用油脂食肉、木材加工などの工業が行われる。1363年にリトアニアの要塞(ようさい)として創設され、1569年ポーランド領となり、1793年からロシア領。修道院、聖ユーリー聖堂、聖ニコライ聖堂(いずれも17~18世紀建立)が残る。三つの高等教育機関のほか、郷土博物館がある。

渡辺一夫

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