世界大百科事典(旧版)内の《はてしなく揺れ動く揺籃から》の言及
【草の葉】より
…量的な違いだけでなく,初版では伝統の詩法を無視した表現やイメージが,とめどなくあふれ出る〈溶岩〉のように奔放に歌い上げられていくのに,第3版(1860)になると,かつてのような世界との親密な一体感は失われ,詩人は越えがたい亀裂を嘆き始める。抒情詩の傑作《はてしなく揺れ動く揺籃から》(1859)がホイットマン詩のこの新しいありようを疑問の余地なく教えてくれる。たとえば後期の代表作《インドへ渡ろう》(1871)を初版の《ぼく自身の歌》と比べれば,詩人の魂がたどった屈折が理解できよう。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」