世界大百科事典(旧版)内の《はまむぎ》の言及
【クノー】より
…最初シュルレアリスムの運動に加わったが,ほどなく離脱した。以後しだいに言語の問題に関心を深めて,処女小説《はまむぎ》(1933)によって日常言語を書き言葉のうちに導入するとともに,数学的な世界観に支えられた独自な文学作法を確立,以後,小説《わが友ピエロ》(1942),《地下鉄のザジ》(1959),詩集《柏と犬》(1937),《運命の瞬間》(1948),一つの短いできごとを99通りの文体で書き分けた《文体練習》(1947)などの作品を発表した。庶民的な雰囲気をもつ一方で,大胆な形式的・言語的冒険を試みるクノーの作品は,新しい文学の可能性を探る先駆的な意味をもつものとして,ヌーボー・ロマンの時代にはいって高く評価されるようになった。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」