《オデュッセイア》(カザンザキス)(読み)おでゅっせいあ

世界大百科事典(旧版)内の《オデュッセイア》(カザンザキス)の言及

【カザンザキス】より

…若くしてパリに遊学中ベルグソンの哲学に心酔したのをはじめとして,ニーチェからキリスト教,仏教などに次々に没入,人間の自由の意味を追い求めた。その成果は1938年に完成した《オデュッセイア》に集約的に表現された。これはホメロスの叙事詩の後日譚という形で,この英雄の遍歴をホメロスの3倍の分量にわたって書きつづった壮大な詩作品である。…

【ギリシア文学】より

… 口承文芸の段階から〈祖本〉校訂の完了までその間7,8世紀,ギリシアは都市国家(ポリス)群の興隆,ペルシア帝国との幾度かの戦争,ギリシア人同士の覇権争い,マケドニア王国の勃興とギリシア統一,アレクサンドロス大王の東征とヘレニズム世界の出現,という歴史のめまぐるしい推移を閲(けみ)した。しかしその間一貫して初期の叙事詩文芸,とりわけホメロスの《イーリアス》と《オデュッセイア》やヘシオドスの教訓詩が至高の評価に値するものとされてきた。それはこれらの作品が平明な言葉と論理的な筋の運びによって,歴代のギリシア人たちが世情の転変を超えて求めてやまなかった人間的な諸価値を,具体的に人間行為を通じて示し,称揚し続けてきたからにほかならない。…

※「《オデュッセイア》(カザンザキス)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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