《グリード》(読み)ぐりーど

世界大百科事典(旧版)内の《グリード》の言及

【シュトロハイム】より

…19年,処女作《アルプス颪(おろし)》を原作から脚本,美術,監督,主演に至るまですべて一人でやって完成したが,2万5000ドルの製作費が大幅にオーバーして10万ドルもかかり,以後1作ごとに〈金を使いすぎる〉監督という烙印(らくいん)を押されていくことになる。映画も映画づくりも従来のハリウッドにはなかった徹底した〈リアリズム〉で人々を驚かせ,とくに商業主義との妥協を拒絶した結果,どの作品も興行不可能な常識外の長尺となり,《悪魔の合鍵》(1919)に次ぐ《愚かなる妻》(1921)は18巻,《グリード》(1923)は42巻で8時間をこえるというすさまじさであった。いずれもずたずたにカットされ,《愚かなる妻》は2/3以下の10巻に,《グリード》に至っては24巻,18巻と短縮され,最終的には1/4以下の10巻に縮められて公開された。…

【タルバーグ】より

…ユニバーサルの創立者カール・レムリの秘書をへてルイス・B.メイヤーのもとでMGMの製作担当となり,ミュージカル映画の製作の着想など,MGMの黄金期の業績はタルバーグの創造的才能によるところ多大であるとされている。地位や権力によって〈君臨〉した他の〈タイクーン〉とは異なり,たとえば《グリード》(1924)をめぐって監督のシュトロハイムと対決して編集権は製作者にあることを論理的に主張する一方,《ビッグ・パレード》(1925)の製作には費用を惜しまず,監督のキング・ビダーにスペクタクル場面を追加撮影させたりして,〈タルバーグは映画をつくるのではなく,映画をつくり直すのだ〉といわれた。製作者として近代的合理主義を貫き,これ見よがしにクレジットタイトルに名まえを出したことはなく,死後公開された《大地》(1937)の冒頭に〈故アービング・タルバーグの霊に捧ぐ〉とたたえられたのがタイトルにその名が出たただ1本の映画である。…

※「《グリード》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android