《ゴータ綱領批判》(読み)ごーたこうりょうひはん

世界大百科事典(旧版)内の《ゴータ綱領批判》の言及

【共産主義】より

…いわば社会主義が共産主義の経済的側面を指すのに対して,コミューンで実現されたといわれるプロレタリア独裁が共産主義の政治的側面となった。 またマルクスは1875年の《ゴータ綱領批判》において,プロレタリア独裁によって実現される社会を2段階に区別した。第1段階の低次の共産主義社会では,人々は〈その能力に応じて“働き”,その労働に応じて“取る”〉。…

【ゴータ綱領】より

…2月前に公表された草案に対し,マルクスはアイゼナハ派のブラッケWilhelm Bracke(1842‐80)に徹底的な批判を書き送った。この《ゴータ綱領批判》は,理論より合同の実現を重視したW.リープクネヒトら当事者によってほとんど生かされなかったが,マルクス晩年の国家論,ラサール批判を示す文書として重要であり,次のエルフルト綱領の作成過程でエンゲルスによって公表された(1891)。アイゼナハ綱領エルフルト綱領【西川 正雄】。…

【賃金生存費説】より

…このリカードの賃金学説をやや一面的に継承し,F.ラサールは,賃金は労働者と家族の生存最低費に帰着する〈鉄のような経済法則〉があると主張(賃金鉄則説)した。ドイツ社会主義労働党ゴータ綱領(1875)にもラサールの賃金鉄則がとり入れられ,マルクスの《ゴータ綱領批判》(1890‐91)での論争をうけている。マルクスもリカード賃金学説の成果は継承しているが,しかし,賃金は労働のではなく労働力の価値をあらわすと規定することにより剰余価値生産の原理を明確にし,あわせて労働力の価値規定には歴史的・文化的要素も入るとしているところに,マルクス賃金理論の特色がみとめられる。…

※「《ゴータ綱領批判》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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