《ダロウェー夫人》(読み)だろうぇーふじん

世界大百科事典(旧版)内の《ダロウェー夫人》の言及

【ウルフ】より

…処女作《船出》(1915)と《昼と夜》(1919)は伝統的な小説といってよいが,第3作短編集《月曜日か火曜日》(1921)と,心理の動きを主として青年の一生を描いた《ジェーコブの部屋》(1922)では,内面世界に執着する独特の作風がはっきりと表れている。政治家夫人の一日の生活を背景にし,その意識を中心に据えることによって諸人物を巧みに描いた《ダロウェー夫人》(1925)と,父の投影の濃い哲学者一家の生活を心理的に描いた《灯台へ》(1927)により,いわゆる意識の流れに重点をおく内面描写と,それを表す詩的文体を完成した。この間,神経症の治療と自作の発表機関をつくるため,1917年手刷り印刷機を買い,夫とともに小出版社ホガース・プレスをつくり,マンスフィールド,T.S.エリオットの作品も出版した。…

※「《ダロウェー夫人》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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