《ドイツ・イデオロギー》(読み)どいついでおろぎー

世界大百科事典(旧版)内の《ドイツ・イデオロギー》の言及

【エンゲルス】より

…帰国後に執筆した《イギリスにおける労働者階級の状態》(1845)とともにイギリス滞在の貴重な成果である。帰国後パリとブリュッセルを根拠地とし,草稿《ドイツ・イデオロギー》(1845‐46)の主要部分を書いて唯物史観の確立を主導した後,共産主義者同盟の創立に中心的な役割を果たし,1848年革命を迎える。主としてライン地方で活動した後,ドイツ憲法戦役に従軍,この間のドイツ革命の総括を《革命と反革命》(1851‐52)等で与えた。…

【分業】より

…かくして,たとえば上述のように職業小分類が290あってそれら相互の間に代替関係がないとすれば,全体社会は少なくとも290の非競争集団に分かれていることになり,それだけ競争圧力は和らげられることになる。 マルクスとエンゲルスは疎外や搾取など近代社会の諸悪の根源を分業に求め,〈まったく気のむくままに今日はこれをし,明日はあれをし,朝には狩りをし,午後には魚をとり,夕には家畜を飼い,食後には批評家である〉ような分業の廃絶された牧歌的な社会を理想とした(《ドイツ・イデオロギー》)。近代産業社会の高い効率性を失うことなしに分業を廃棄しうる可能性はないが,そのことを別にして,もし前近代社会の低い生産力に逆戻りすることなしに分業が廃棄されたとしたら,すべての人々は一本の尺度のうえで相互に競争者となって,競争の逆機能が飛躍的に高まることになるであろう。…

※「《ドイツ・イデオロギー》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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