《ファンタジア》(読み)ふぁんたじあ

世界大百科事典(旧版)内の《ファンタジア》の言及

【アニメーション映画】より

…質的には優れていた《バッタ君》の興行的失敗が直接の原因である。一方,ディズニーのほうは,さらに《シリー・シンフォニー》の集大成である空前の長編《ファンタジア》(1940)で世界最初のステレオ・サウンドを使用,音楽と動画の融合という壮大な野心作を完成する。 第2次世界大戦が始まろうとする1930年代末から40年代にかけて,ウォルター・ランツ製作の《ウッディ・ウッドペッカー》(1940‐72),ウィリアム・ハンナとジョゼフ・バーベラ演出の《トムとジェリー》(1940‐58),ロバート・マッキンソン,チャック・ジョーンズ,フリッツ・フリーレングらの演出による〈ワーナー漫画〉の《バッグス・バニー》(1938‐64),《ロードランナー》(1949‐68)等々,ほのぼのとしたディズニー漫画とは打って変わって猛烈な暴力性,破壊性をもち込んだ短編アニメが隆盛を極め,〈ハリウッド・カートゥーン・コメディ〉(ドタバタ漫画)の黄金時代を迎えた。…

【映画音楽】より

… ヨーロッパ映画の作曲家としては,フェリーニ監督作品(《道》《甘い生活》等々)を中心としたイタリアのN.ロータ(1911‐79),J.ドゥミー監督作品(とくにせりふがすべて歌われた《シェルブールの雨傘》など)を中心にしたフランスのM.ルグラン(1932‐ ),マカロニウェスタン(S.レオーネ監督《荒野の用心棒》《夕陽のガンマン》等々)を中心にしたイタリアのE.モリコーネ,ミカエル・カコヤニス監督作品(《エレクトラ》《その男ゾルバ》)を中心にしたギリシアのミキス・テオドラキスらが輩出するが,やがてハリウッドに吸収されハリウッドの映画音楽を活性化することになる。
[映画音楽のレコード化]
 ディズニーの長編アニメーション《ファンタジア》(1940)は,〈レコードのステレオ化に先立つこと18年,ステレオ録音再生を実現した最初の作品として記録すべきである〉(野口久光)とされるが,同時に〈レコードのステレオ化〉によって映画音楽のレコード化も飛躍的に促進された現象も注目されよう。映画音楽の最初のレコード化は,アーサー・ブリス作曲のイギリス映画《来るべき世界》(1936)(アメリカでは1943年のV.ヤング作曲の《誰が為に鐘は鳴る》)であるといわれる。…

【ディズニー】より

…ミッキーは広範な人気を獲得,やがて新聞や雑誌にも進出した。ディズニーはその後,ドナルド・ダックや犬のプルートなども登場する作品を続々作り,37年には最初のカラー長編アニメーション映画《白雪姫》を完成,40年にはストコフスキーの協力を得て世界の名曲をアニメーションにした《ファンタジア》を世に出した。また記録映画にも進出したほか,通常の劇映画でも児童ものを中心に豊富な仕事をした。…

※「《ファンタジア》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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