《メダンの夕べ》(読み)めだんのゆうべ

世界大百科事典(旧版)内の《メダンの夕べ》の言及

【自然主義】より

…しかし,この小説論は,その極端な立論を通して,少なくとも,素朴な熱情にも似た科学への信仰を共有することによって時代精神に適合した自然主義の一面,この文学思想の根底にある科学主義志向を最も端的に表し伝えている点で,自然主義の代表的文学理論の一つに数えられる。 1870年代の半ばごろからゾラの周辺に集まった自然主義派の若い作家たちは,会合の場所であったゾラの別荘がメダンにあったことから〈メダンのグループ〉と呼ばれるが,これに属するモーパッサン,J.K.ユイスマンス,H.セアール,L.エニック,P.アレクシの5人は,1880年,首領格のゾラとともにおのおの1編ずつの短編を持ち寄って作品集《メダンの夕べ》を公刊し,自然主義文学派の存在を強く印象づけた。これらの作家たちのほかに,自然主義派ないしそれに近い作家としては,日本にも早くから紹介されたA.ドーデ,O.ミルボー,劇作家H.F.ベックらがいる。…

【ゾラ】より

…1871年,ライフワークたる〈ルーゴン・マッカール〉の第1巻《ルーゴン家の繁栄》を出し,その後精力的に書きつづける。自然主義文学の総帥として論陣を張り,《実験小説論》(1880)を書き,パリ郊外のメダンの別荘にユイスマンスら新進作家を集め,共同で作品集《メダンの夕べ》を出したりした。プルードン,マルクスらを読み,社会主義にも関心を示している。…

※「《メダンの夕べ》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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