《ライネケ狐》(読み)らいねけきつね

世界大百科事典(旧版)内の《ライネケ狐》の言及

【カリーラとディムナ】より

…後世,トルコ語に訳され,またラテン語訳されてバルカンからヨーロッパに流布され,さらにそれより早く11世紀末にシチリアでギリシア語に訳されもした。一方,《パンチャタントラ》の原典からの訳本は東アジア,北アジアにもひろまったので,すべてで60ヵ国語,ほぼ200種のテキストがあり,その分布の広大さは聖書につぎ,《ライネケ狐》やJ.deラ・フォンテーヌ,グリム,アンデルセンらの作品にも影響がおよんでいるといわれる。【前嶋 信次】。…

【狐物語】より

…最初の枝篇以後ヨーロッパ各地に流行,12世紀末にはハインリヒ・デア・グリヒェツェーレが《ラインハルト狐》を書き,フランスでは《逆説狐物語》(13世紀),《ルナール狐の戴冠》(13世紀),《狐に化けて》(14世紀)などしだいに長編の社会風刺の物語を生む。ゲーテの《ライネケ狐》(1794)は13世紀中ごろのフランドル人ウィレムの翻案に基づいている。狐物語の成功によりルナールの名は,フランス語で狐を意味する普通名詞となった。…

【ゲーテ】より

… ゲーテが世界文学に与えた影響は,体験詩の普及,ウェルター的モティーフの流行,《ウィルヘルム・マイスター》による教養小説的伝統の確立,ファウスト的理想主義の展開など多方面に及び,現代においては彼の全作品の根底に流れるヒューマニズムが諸民族,特に東西ドイツを精神的に融和一致させる役割をも果たしている。 日本におけるゲーテの紹介は非常に早く,1884年に《ライネケ狐》が《独逸奇書・狐の裁判》という題名で初めて英語から重訳された。明治時代前半のゲーテ受容の特徴は,作品の知識および評価がおおむねイギリス経由であったことで,特にカーライルのゲーテ論は,当時の日本人に強い影響を与えた。…

※「《ライネケ狐》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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