《ランデの死》(読み)らんでのし

世界大百科事典(旧版)内の《ランデの死》の言及

【アルツィバーシェフ】より

…自由恋愛と肉欲の解放を説いた長編小説《サーニン》(1907)は〈性の解放〉を主張する20世紀ヨーロッパ文学一般の時流に投じ,世界的なセンセーションを呼んだ。アルツィバーシェフは,ニーチェ風の個人主義,アンドレーエフ流のニヒリズム,ロシア象徴派の〈愛と死の神秘思想〉の影響を受けた典型的なモダニズムの作家であるが,他方トルストイやドストエフスキーの影響も強く(例えば小説《ランデの死》(1904)におけるムイシキン公爵的主人公の唱える悪に対する無抵抗),《サーニン》も自らの感覚的欲望に忠実であれという主張の是非は別として,ロシアの求道者文学の伝統のうえにある作品である。広津和郎など,日本の大正期の文学に与えた影響は無視しがたいが,思想は借物で,作家的力量も乏しく,やがて人々に忘れられた。…

※「《ランデの死》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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