《中曲理趣経》(読み)ちゅうきょくりしゅきょう

世界大百科事典(旧版)内の《中曲理趣経》の言及

【寛朝】より

…【西口 順子】 《声明口伝》(1357)では寛朝は日本における真言声明の始祖とされ,《声決書》(1396),《宝肝鈔出》(1446),《伝灯広録》(1700ごろ)などによれば声明の達人で,音律にも通暁し,琴などを用いて声明を作曲したという。現代に伝わる代表的な真言声明の一つである《中曲理趣経》は寛朝の作曲とされている。また真言宗の諸声明を整理し,諸儀式での声明の次弟を定め,声明の学習の段階も設けたといわれ,弘法大師空海を祖とする真言声明を大成した寛朝の功績は大きい。…

【曼陀羅供】より

職衆(しきしゆう)はその間に声明(しようみよう)を唱えるほか,真言系では声をそろえて呪を誦したり読経を行ったりする。その呪を中心とする形式を〈呪立(しゆだて)〉,読経を中心とする形式を〈経立〉と称し,後者では,〈理趣三昧(りしゆざんまい)〉と同様に美しい曲節のある《中曲理趣経》を用いる。天台系のこの法要には,〈金剛界立(こんごうかいだて)〉〈胎蔵界立〉〈両界合行立(りようがいごうぎようだて)〉の3種があり,その区別により修法の内容も声明曲の種類も違ってくる。…

【理趣三昧】より

職衆(しきしゆう)はその間に声明(しようみよう)を唱え,読経を行う。晴れの法要では,中心となる《理趣経》の読経は,各段の初めにフシの付く《中曲理趣経》を用い,その最末部の〈善哉善哉(せんざいせんざい)……〉のくだりで華麗な曲節が聞かれる。また経の本文に前置される〈勧請句(かんじようく)〉や,後置される〈合殺(かつさつ)〉(毘盧舎那仏(ひろしやだふ)の連呼)にもこまかな曲節がある。…

※「《中曲理趣経》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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