世界大百科事典(旧版)内の《仕事と日々》の言及
【農と暦】より
…前700年ころのギリシアの詩人ヘシオドスの作品。《労働と日々》《仕事と日々》《労働と暦日》などの訳題もある。詩型・措辞はホメロス叙事詩に酷似するが,内容は,人間が現実社会において踏み行うべき正義の道を,神話からのたとえ話や格言集をまじえつつ,農事暦の形を用いて語る教訓詩828行からなっている。…
【労働】より
…つまり苦労して働き,その結果として疲れたり病気になったりするという,双方の間をゆれうごく言葉であったといえる。ギリシア語で労働することをあらわすponeinが,つらい仕事をするというニュアンスをもつこともよく例にひかれるが,労働の情景を記述した最古の古典の一つとされるヘシオドスの《仕事と日々》が,〈むかし人間の種族は禍いや辛い労働をゆめにも知らず,……痛ましい病などにも罹らずに,〉(真方敬道訳)と,労働を病や禍いと等置しているのは,漢字の〈労〉の用例とたいへん似ていて興味深い。もともと労働とは,人間が生きていくための必要からやむをえず行わねばならない,つらく苦しい,疲れる,そして時としては病をもよびこみかねない,肉体的な活動のことであったといえよう。…
※「《仕事と日々》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」