《仙源抄》(読み)せんげんしょう

世界大百科事典(旧版)内の《仙源抄》の言及

【仮名遣い】より

…行阿の時代のアクセントは,定家の時代のアクセントと年代の差による相違があり,定家のころ低いアクセントであった音が行阿のころには高いアクセントになったものがあるため,原理は同じでも定家の決定した仮名遣いと行阿の仮名遣いとでは相違が少なくない。定家が定めた〈お〉は低く,〈を〉は高いアクセントによるという原理は一般の人々に理解されなくなり,南北朝時代の長慶天皇は《仙源抄(せんげんしよう)》で定家仮名遣いを非難し,仮名遣いには定まった法はないと述べ,僧成俊は《万葉集》の注釈によって,定家仮名遣いが《万葉集》の仮名用法に合致しないことを示したが,歌壇では行阿の仮名遣いが,定家の権威によって広く行われていた。ただし僧など歌壇の外にいる人々や,片仮名では,この仮名遣いを守っていない。…

【源氏物語】より

…親行の弟素寂(そじやく)の《紫明(しめい)抄》も,この学統である。京都ではこのころ了悟の《幻中類林》が出て独自の主張を試み,やや下って長慶天皇の辞書《仙源抄》が成り,碩学花山院長親も名高い。四辻善成(よつつじよしなり)(1326‐1402)の《河海(かかい)抄》は博引旁証,注釈の基礎を築いた。…

【辞書】より

…これらは和歌を読み,作るためのものであるが,中世,《源氏物語》の研究がさかんになるにつれて,《源氏物語》の語彙を分類配列して語釈を加えた辞書が現れた。長慶院の《仙源(せんげん)抄》はイロハ引き国語辞書として最古のものであり,そのほかに竺源恵梵の《類字源語抄》(1431(永享3)成立)などもある。また連歌のための辞書として,応其の《無言抄》(1580(天正8)成立),著者未詳の《匠材集》(1597(慶長2)成立)などが現れた。…

※「《仙源抄》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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