《倫理学》(読み)りんりがく

世界大百科事典(旧版)内の《倫理学》の言及

【ゲーリンクス】より

…デカルトは精神と物体とを独立する実体として分離しながら,人間においては心身結合をみとめたが,ゲーリンクスは両者の直接的相互作用を否定し,身体の刺激によって精神に感覚が生じたり,精神が意志によって身体を動かす場合も,真の作用者は神のみであって,神が身体の刺激または精神の意志を〈道具〉ないしは〈機会〉として感覚または身体の運動を生ぜしめるとした。彼はまた倫理学を重視して主著《倫理学》(1675)を書いたが,そこでも神が唯一の能動者であるこの世界において,人間は単なる〈傍観者〉にすぎないことが強調され,そのような人間が自己の無力を自覚して神の摂理に従う〈謙虚〉の徳が称揚されるとともに,自愛にもとづく幸福欲が厳しく退けられている。ほかに《真の形而上学》(1691)などの著書がある。…

※「《倫理学》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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