《半音階的幻想曲とフーガ》(読み)はんおんかいてきげんそうきょくとふーが

世界大百科事典(旧版)内の《半音階的幻想曲とフーガ》の言及

【トッカータ】より

…オルガンの名手として名高かったJ.S.バッハは若い頃しかこの種のトッカータを作曲しなかったが,彼の有名なニ短調の《トッカータとフーガ》(BWV565)は,1705年にリューベックのブクステフーデを訪れたときの感動をそのままに伝えている。クラビーアのための有名な《半音階的幻想曲とフーガ》(BWV903)にもトッカータ精神がみなぎっている。【東川 清一】。…

【バッハ】より

…さらに3声書法を1個のオルガン上で実現した6曲の《トリオ・ソナタ》(BWV525~530),1個の低音主題による構築的な変奏曲《パッサカリア(とフーガ)》(BWV582)もバッハ様式の優れた例である。 クラビーア(チェンバロまたはクラビコード)曲には,元来教育を目的とした《インベンション》や《平均律クラビーア曲集》と,多彩な舞曲を配列した数多くの組曲のほか,ビバルディの協奏曲形式をチェンバロ独奏に応用した《イタリア協奏曲》,1個の低音主題に基づいて前人未到の演奏技巧を繰り広げる《ゴルトベルク変奏曲》,さらには半音階的な旋律と和声によってきわめて個性的な表現を達成した《半音階的幻想曲とフーガ》(BWV903)がとりわけ重要である。 室内楽の中には,バロック時代の慣用に従ったトリオ・ソナタや通奏低音付ソロ・ソナタもあるが,バッハの特徴はむしろ,1個の旋律楽器とオブリガート・チェンバロのための《バイオリン・ソナタ》(BWV1014‐19)や《フルート・ソナタ》(BWV1030,1032),そしてとくに単一の楽器から限りない可能性を引き出した《無伴奏バイオリンのためのソナタとパルティータ》および《無伴奏チェロ組曲》に認められる。…

※「《半音階的幻想曲とフーガ》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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