《商品による商品の生産》(読み)しょうひんによるしょうひんのせいさん

世界大百科事典(旧版)内の《商品による商品の生産》の言及

【経済学および課税の原理】より

…投下労働価値論と関係する不変の価値尺度の問題はリカードの終生の問題であったが,21年の第3版では,その点が修正されるとともに,有名な〈機械について〉という第31章が付加された。彼の不変の価値尺度論は,今日P.スラッファの《商品による商品の生産》(1960)における〈標準商品〉論として新展開をみせている。本書は,1921年和田佐一郎,堀経夫の2抄訳が生まれ,28年小泉信三,堀経夫の2全訳が刊行された。…

【経済学説史】より

…イギリスのM.ドッブやR.ミーク,アメリカのP.スウィージーといったすぐれたマルクス経済学者は例外的で,孤立的な点在にとどまっていた。しかしP.スラッファの《商品による商品の生産》(1960)に始まる新リカード学派の台頭による新古典派理論の威信の低下,南の諸国の急進的革命運動に理論的基礎を与えようとするA.G.フランクやS.アミンらの新従属学派(従属論)の登場,さらに社会思想や政治運動の内部に広がる欧米のマルクス・ルネサンスの波などを介して,1970年代以降欧米にマルクス経済学の再生運動が広がり,かなりの数のマルクス経済学者の層が形成され定着してきている。 その基礎理論における関心は,まず転化問題から価値論にむけられた。…

【スラッファ】より

…第2に,ケンブリッジ学派の不完全競争論の開拓者としての地位をかちえた。しかし,60年公刊の《商品による商品の生産》こそは,現代の厳密な分析用具によって構築された古典派経済学の核心部分の〈現代版〉で,同時に新古典派の価値と分配の理論の批判を意図したライフワークである。【菱山 泉】。…

※「《商品による商品の生産》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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