《四書大全》(読み)ししょたいぜん

世界大百科事典(旧版)内の《四書大全》の言及

【経学】より

…程子(程頤,程顥)や司馬光が〈中庸,大学〉の2篇を《礼記》から抜きだして《論語》《孟子》と組んで〈四書〉として尊奉し,南宋の朱熹(子)がみずからの哲理にもとづく〈章句,集注(しつちゆう)〉を作って〈五経〉へ導入する必携書と規定した。元・明期を通じて,朱子の四書注釈が科挙に課せられ,この新注による勅撰の《四書大全》が著されて,いっそう古注系の経学は軽視された。 明末・清初の陽明学の流行により,朱子学批判が旺盛になる一方,社会の動揺に対処する,東林党などの経世のための実学が主唱され,明朝の滅亡と異民族支配から王夫之,顧炎武,黄宗羲らのつよい民族意識にささえられた,史的実証的で博学と実践を重んずる経学,史学があらわれた。…

【四書】より

…煩雑で難解な五経よりも,簡潔でかつ要点を得た思索的な内容が当時の好みに合致し,さらに朱子学が科挙の試験科目になると,四書の勉学は必須のものとなった。《四書大全》36巻は明の胡広らの編纂(1415)で,その受験参考書として有名であるが,内容は粗雑である。四書は江戸時代にも広く読まれ,日本人の教養を育てるうえでも重要な役割を果たした。…

※「《四書大全》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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