《弁論家についての対話》(読み)べんろんかについてのたいわ

世界大百科事典(旧版)内の《弁論家についての対話》の言及

【タキトゥス】より

…異民族についてローマ人の記した例のない作品で,皇帝に隷従し堕落したローマ社会に対して,自由と独立の精神を失わず名誉心と戦意の盛んな若い民族を示して警告とするとともに,彼らが分裂している限りローマにとっての深刻な危険とはならないことも指摘している。 著作年不詳で一部の学者からタキトゥスの作品であることを疑われている《弁論家についての対話》は,75,76年または77年ごろに行われたとされる数人の文人の対話の形をとり,弁論と詩とどちらが上かとか,弁論は古い時代と比べて向上したか堕落したかなど,帝政が始まった後1世紀にしばしば論じられた問題を扱っている。帝政とともに重要性を失った弁論に別れを告げ歴史叙述に向かう彼の気持ちをここに読みとる学者もある。…

※「《弁論家についての対話》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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