世界大百科事典(旧版)内の《征服されたエルサレム》の言及
【解放されたエルサレム】より
…物語はウェルギリウスからアリオストに至る英雄叙事詩および騎士道文学の伝統をふまえて構築されており,エルサレム解放までの戦闘を中心とした十字軍の史実と,伝説を交えた幻想的な虚構性とが錯綜しながら展開されてゆくが,その基調をなすものは英雄の悲劇的な死であり,宿命的な愛の不成立であって,そこに,やがて狂気に落ちていくタッソ独自の,暗鬱な詩的世界の本質がうかがえる。なお,タッソはその後この作品の改稿を重ね,晩年の1593年に,《征服されたエルサレム》のタイトルで再発表している。【鷲平 京子】。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」