《悪の象徴論》(読み)あくのしょうちょうろん

世界大百科事典(旧版)内の《悪の象徴論》の言及

【解釈学】より

…リクールは〈解釈学的現象学〉というハイデッガーの当初の企てを,言語分析という道を通って具体的に展開しようとする。彼は《悪の象徴論》(1960)で神話解釈を論じる。神話は荒唐無稽な物語ではなく,人間の根源的経験の象徴表現になりうる。…

【罪】より

…それは穢れ,弱さ,病気,死などの物理的・身体的なものにはじまり,過失,迷い,犯行などの意志的・行為的なものを加えて,さらに神の前での反抗という高次の精神的なものに及んでいる。そこで罪は身体的なものと精神的なもの,具体的なものと抽象的なものという両極をもつが,P.リクールが《悪の象徴論》(1960)第1部で論じるように,高次のものは低次のものを含み,これを象徴化しているといえる。さらにこの書の第2部が扱う原罪と〈最後の審判〉という観念があるが,これらは歴史の始めと終りのできごととして何ほどか神話的表現を避けられない。…

※「《悪の象徴論》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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