《悲劇の誕生》(読み)ひげきのたんじょう

世界大百科事典(旧版)内の《悲劇の誕生》の言及

【アポロン】より

…美術ではつねに理想的な青年として表現され,有名な彫刻にオリュンピアのゼウス神殿西破風のアポロン像(前460ころ),バチカン宮美術館蔵の《ベルベデーレのアポロン》(ヘレニズム期の作品の模刻)などがある。なお,〈アポロン的とディオニュソス的〉という美学上の対立概念は,夢想的・静観的芸術をアポロン型の芸術,陶酔的・激情的芸術をディオニュソス型の芸術と名づけ,両者の総合がギリシア悲劇にほかならないと論じたニーチェの処女作《悲劇の誕生》(1872)に由来するものである。【水谷 智洋】。…

【ディオニュソス】より

…美術では,古拙期にはつねに衣をまとい,髯(ひげ)を生やした姿で,古典期以降はやや女性的な体つきをした若者に表現されることが多い。なお,〈アポロン的〉と〈ディオニュソス的〉という美学上の対立概念は,夢想的・静観的芸術をアポロン型の芸術,陶酔的・激情的芸術をディオニュソス型の芸術と名づけ,両者の総合がギリシア悲劇にほかならないと論じたニーチェの処女作《悲劇の誕生》(1872)に由来するものである。【水谷 智洋】。…

【ニーチェ】より

…70年普仏戦争が勃発するとニーチェも志願して看護兵として従軍するが病を得て除隊する。
[《悲劇の誕生》]
 この時期に書かれたのが処女作《悲劇の誕生》(1872)である。有名な〈アポロン的〉と〈ディオニュソス的〉の二つの概念を軸にして古代ギリシアにおける悲劇の成立,隆盛,そして没落が描かれている。…

※「《悲劇の誕生》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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