《我国体と世界の趨勢》(読み)わがこくたいとせかいのすうせい

世界大百科事典(旧版)内の《我国体と世界の趨勢》の言及

【国体思想】より


[大正デモクラシー期]
 まず美濃部達吉の天皇機関説を上杉慎吉が天皇親政論から批判したのに対し,美濃部は国体は文化的概念であるとして法学的世界からそれを除き,吉野作造も日本国体の優秀性は特別の君臣情誼関係という民族精神の問題であるとして政治学の対象から除外し,デモクラシーと国体は矛盾しないとした。大正期には公認のイデオローグ井上哲次郎ですら《我国体と世界の趨勢》で,君主主義と民主主義の調和にこそ国体の安全があると説いた。このため,国体=あるべき国家,政体=現にある国家の意識を生じ,国体論に依拠して体制批判を行う者が労働運動内部にも現れた。…

※「《我国体と世界の趨勢》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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