《故郷》(読み)こきょう

世界大百科事典(旧版)内の《故郷》の言及

【ネオレアリズモ】より

…第1に,ネオレアリズモが〈責務の文学〉であること。第2に,思想的にも文学手法上も,パベーゼの長編小説《故郷》(1941)とビットリーニの同じく長編小説《シチリアでの会話》(1941)とを出発点にしていること。第3に,これら2作品が19世紀シチリアの小説家ベルガの文学を受け継ぎ,これを詩的散文に展開させたこと(したがって,ネオレアリズモは新しいイタリアのリアリズム(すなわち新しいベリズモ)を意味している)。…

【反ファシズム】より

… 1936年,スペイン内乱が勃発,ムッソリーニのフランコ側援助に対して,イタリア人の反ファシズム活動家4000人が共和国軍に身を投じた。ファシズムの何たるかをまぎれもなくみせたこのスペイン内乱のさなかにビットリーニは,《ソラーリア》の後継誌《レッテラトゥーラ》に《シチリアでの会話》を掲載,〈損われた世界〉を前に彷徨する〈私〉の苦悩を新しい文体で描き,パベーゼの《故郷》(1941)とともに(付け加えるならばモンターレの詩とともに),創作での最大限の抵抗を実現し,この2作はネオレアリズモの道標となった。パベーゼ,ビットリーニがともに翻訳・紹介に尽くしたアメリカ文学が,自由な創作の禁じられた30,40年代のイタリア文学に大きな活力を与えたことは注目される。…

※「《故郷》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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