《新道標》(読み)しんどうひょう

世界大百科事典(旧版)内の《新道標》の言及

【オランダ】より

…とはいえ,イギリス,ドイツ,フランスのような文化大国に囲まれてそれらの影響下にあったことは否定できない。1860年,E.ダウエス・デッケルがムルタトゥーリの筆名で《マックス・ハーフェラール》を発表して東インド植民地における過酷な搾取の実態を批判して衝撃を与え,85年詩人クロース,フェルウェー,批評家L.ファン・デイッセルらが《新道標Nieuwe Gids》を創刊して新文学建設の旗手になった。〈80年代の運動〉と呼ばれる文芸復興以後,100年の間オランダは優れた詩人,散文作家,劇作家を多数輩出したが,残念ながらオランダ語という言語の壁に阻まれて作家も作品も国際的な知名度は高くない。…

【オランダ文学】より

…19世紀後半におけるオランダ社会の急速な近代化と自由主義の伸展に呼応して,文壇に新風を吹きこんだのが〈80年代派Tachtigers〉と呼ばれるクロースフェルウェーエーデンホルテルらを中心とする若い詩人たちである。彼らは《新道標Nieuwe Gids》誌に結集し,美それ自体を目的とする芸術至上主義を掲げて先輩たちの道徳的教訓的通俗性を激しく攻撃した。のちに社会主義に転じたホルテルの象徴詩《5月》(1889)は,この個人主義的革新運動の記念碑的作品である。…

【クロース】より

…アムステルダム大学で古典文学を学び,雑誌《観衆》に評論を書き,また《ネーデルラント》誌に詩劇の断章〈ロドピス〉を発表して文壇に出た。1885年にA.フェルウェー,F.W.vanエーデンらとともに《新道標》誌を創刊し,芸術至上主義にもとづく熱情的な美の追求者として“80年代”の個人主義的革新運動に指導的役割を果たした。好んで十四行詩を書き,その連作《子供と神の書》(1888)は,人間の哀歓を豊かなイメージで格調高く歌った詩人の絶頂期を示す。…

※「《新道標》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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